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第1話「出会いまっすん」 「彼氏ほし~よ~……」 私は才葉さくら、才葉グループで働いてる敏腕OL 「こないだまでピーピー言ってたのにぐはあ!」 ……でこっちのはお兄ちゃん、一応メジャーで投手 今はシーズンオフとかでこっちに戻ってきてるらしい なんか最近日本人投手がやたら増えてきたから 大変になったとかよく話すけど 私には関係ない 今の私に必要なのは… 「愛!愛!プリーズ!」「お前も落ち着くところに落ち着いてくれりゃなあ…」ぐっ… 「わ、私が求めているのはピュアなの!そうピュアなの!」「ピュア~?」 あながち間違いでもない この年になると周りはみんな下世話な人間が増えてきて こないだなんて真薄くんにまで「そろそろ身を固めなよ」って言われた 余計なお世話よ! 「それこそむだはどうしたんだ?」「むだくん?なんか他の人と幸せに暮らしてるらしーよ」 「……小波も結婚したし、お前だけか」 「むー、ビリ争いやってたのに…」 ビリ争い仲間だった小波君もつい最近南雲グループの代表さんと結婚しちゃってた 私はいつまで… 「むにゃー!外に出よう!外に!」 なにか出会いがあると願い私は扉から飛び出す 外に出てみると真っ青な空が私を出迎えてくれた 「ふぅ~!今日は気持ちがいい天気だねえ」 テクテクと歩いていく 風のせせらぎ、すれ違う自転車のベル これだから外はたまんない 「ん~!こんないい日は河川敷で日向ぼっこでもしよう!」 思い立ったらなんとやら 私の足は近くの河川敷めがけて一直線に進み出す 「にょがにょらにゅれら~!!」 「……あれ、さくらちゃんだね」「かわんないでやんす…それより小波君はどこに?」「るりかのおつかい」 ………… 「いい風だなあ…」 魔球が投げられなくなった俺はどうしようかと考えていた ヒカルにも相談しづらいし阪奈は…うん とりあえず一人で河川敷にボール持ってきてみたけど 何が浮かぶわけでもなくのんびり寝転がっているだけ 「…はあ」 河川敷についたら なにやら見知らぬ少年が寝転がってた 帽子を見るに野球少年かな? 「そこの君!今日はこんないい日なのになにぼーっとしてるの?」 少年がビックリしながらこちらを向いた 新鮮な反応、可愛い 「お隣失礼するよ~っと♪」 なんとなく私はこの野球少年に興味を持った 「君君、帽子を見るに野球してるでしょ!」 少年は縦に首を降る、正解のようだ 「私もね……昔野球してたんだ!みゃはは」 「……おねえちゃんも?」 「おっ!?」お姉ちゃんだってえええ!? この子とってもピュアで… 「うへへへ」おっとよだれが出てしまった 「そうだよ!ガンバーズってところにいたんだ!」 「ガンバーズ!?」ガンバーズっていったら少年の目が急にキラキラし始めた そう言えばガンバーズで全国優勝したんだったっけ そりゃあ有名だねえ~ 「お姉ちゃんは全国優勝したときのガンバーズの三番バッターだったんだよ!」フフン!もっと驚くだろうなあ~ ………… 突然現れたお姉さんは 見た感じ……大学生っぽいかな? それはともかくとして あのガンバーズの三番バッターだったと言う、もしかしたら…このお姉さんなら… 「お姉ちゃん!俺の手伝いをしてほしいんだ!お願い!」魔球をまた投げるようにしてくれるかも! 少年は驚いたかと思えば唐突に 「手伝いをしてほしいんだ!」っていってきた 今日は楽しい日になりそうだねえ、みゃは 「いいよ?」「ありがとう!えっとね…」 「……ふむふむ、なるほど、君が噂の子か、魔球ね~」「お姉ちゃんはそんなに驚かないんだね」 この年になると興味が色々となくなって… 「ま、まあ世間に流されない女なの!それよりどうする?」「う~ん、お姉ちゃんはどう思う?」 ええ~っと魔球か~魔球~ あ!そう言えば小波君がボールのお父さんを持ってたなあ 確か強い願いでそうなったんだって言ってた気がする じゃあ魔球も?それなら! 「強くボールに魔球をイメージしながら投げてみるのはどうかな?」我ながらナイスアイデア! 少年もそれはいいなといった顔をしている 「それじゃあ橋の下の壁で練習だ!みゃは♪」 「うん!」 ……… お姉さんが言うことは確かに一理あった 最初に魔球を投げたとき、俺はなにか打ち取れる球をを強くイメージしてたんだ そのイメージでいけば… 「ふっ!」(バシーン!)…だめ 「どんまーい!次やろう!一回じゃわかんないよ!」 このお姉さんポジティブだなあ~ まあ駄目で元々…っ 「ふっ!」(バシーン!)「ふっ!」(バシーン!) 「ふっ!」(バシーン!)「ふっ!」(バシーン!) 練習は何十球も続いた 途中何度かお姉さんは 「肩は定期的に休ませないと駄目だぞ?」と差し入れをしてくれた でも… 「…暗くなってきたよ、今日は帰ろうか」 「……うん」 少年は結局今日は魔球を投げることはできなかった しかし諦めてはいないようで 「明日もこの時間やってるから来てよ!」と言われた そんなこと言われちゃ断れないよねえ~ 「よし!魔球が投げられるまでお姉ちゃん来てあげよう!」 また少年は目を輝かせた、辛抱たまらん可愛さだ それから私と野球少年の特訓が始まることに 野球少年は名を「大波」と名乗った 大波君はひたすら球を投げる 私は冷やしタオルとジュースを用意してその場を見守る 時々なんか聞かれるから 野球してた頃言われてたことを思い出して話した 「それでさ監督がさ…」「わかるわかる~」時には少年の話を聞いたり 「休みも練習のうちだぞ!」「はい!」たまに練習を休ませて遊んだりしながら そんな風にしながら数日が過ぎてった ………… そしてとある日 お姉ちゃんと練習をやってから幾分か経った お姉ちゃんは今日も相変わらずニコニコしていた 俺はお姉ちゃんのニコニコを見るのがだんだん好きになってて そして俺は心にある誓いをたてた 「魔球が投げられたら告白する」と お姉ちゃんのニコニコは太陽のようで 雨の日や曇りの日でも橋の下だけは明るかった 「(太陽…光り…お姉ちゃんの…笑顔っ!)」 ふとお姉ちゃんの笑顔を思いながら投げたその時だった 「ハッ!」(ギュルルルル!!ドゴーン!) トグロを巻いて壁にめり込んだ、そのボールは以前投げたときとは違う色をした魔球だった 明るく光るボールだった 「…お姉ちゃん!見た!いまの!」 お姉ちゃんも嬉しそうに駆け寄ってきてくれた まるで自分の事みたいに最高級の笑顔で そして「よしよし!」と抱き締めて頭を撫でてくれて するとなんだかとても懐かしい気持ちになり 「どったの?大波くん」涙が止まらなくなっていた 「なんでも…ない!」恥ずかしかったから勢いよくユニフォームで拭いて 自分との誓いを果たすことに 「…お、お姉ちゃん…」「なぁに?」 「お、俺は魔球を投げて、お姉ちゃんの事を守りたいんだ!付き合ってください!」 ………… 大波くんから告白を受けたでござる… キライじゃないし…でも年齢差が… さて…どうするかな~…そうだ 「今度の世界大会、それで優勝したら、付き合ったげる!」これで大丈夫でしょ! 逆に優勝されたら腹をくくって付き合ってあげようじゃないか! 大波君も「わかった!迎えに来るから!」と納得したようだしね!
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今日は私のお弁当当番の日だったので、早めに起きてお弁当の準備。 二人分のお弁当箱に、作ったおかずを順番に詰めていく。 今日のおかずは、お姉ちゃんの大好物のプチオムレツ。 といっても、大好物っていうのは私の勝手な思い込みなんだけどね。 本当は、お姉ちゃんは、私の作った料理なら何でも「おいしい」と言って食べてくれる。 私はそれがとっても嬉しい。 本当なら、私が毎日作ってあげてもいいくらい。 でも、毎朝早起きしてお弁当を作るのはやっぱりつらいかも。 う~ん、どっちだろ・・・? そんなお姉ちゃんが、今朝は何故かなかなか起きてこない。 どうしたのかな? 勉強のしすぎで疲れちゃったのかな? 「つかさー。ちょっと、かがみ起こしてきてくれる?」 お母さんに頼まれて、私はお姉ちゃんの部屋に向かう。 私がお姉ちゃんを起こしに行くなんて、なんか変な感じ。 これって、天変地異の前触れっていうのかな? お空からバルサミコスー、な予感。 「おねえちゃーん、入るよー」 お姉ちゃんの部屋のドアの前に立ってお姉ちゃんに呼びかける。 ・・・。 返事がない。 まだ寝てるのかな? 私はゆっくりドアを開ける。 ・・・あれ?いない? 部屋の中を見渡してみたけど、お姉ちゃんの姿が見当たらない。 ベッドにもいないみたい。 念のため、布団の中を確かめてみようと思って、私はベッドに近づく。 「ダメ!」 「え・・・?」 どこからかお姉ちゃんの声が聞こえる。 私はもう一度部屋をぐるりと見渡してみるけど、やっぱりお姉ちゃんの姿は見えない。 「お姉ちゃん、どこー?」 「来ちゃダメー!」 「お姉ちゃん?」 どうやら、お姉ちゃんの声はベッドから聞こえてくるみたい。 でもどうして、来ちゃダメなんだろう・・・? 私はベッドの上の布団を手に取り、そっとゆっくりめくった。 そこにあったのは・・・。 「パジャマ?」 ・・・脱ぎ捨てられたお姉ちゃんのパジャマだった。 お姉ちゃんはそこにはいなかった。 おかしいな、確かにここから声が聞こえたはずなんだけど・・・。 しばらくそのパジャマを眺めていると、突然、パジャマの胸の中で何かがガサゴソッと動いた。 「いやあぁぁ!ね、ネズミ!?」 私はびっくりして思わず悲鳴を上げた。 「ちょっと待て。誰がネズミだ」 またお姉ちゃんの声。 やっぱりベッドの上から聞こえてくる。 「いい?つかさ。これから何を見ても驚かないって約束できる?」 「う、うん・・・」 訳が分からなかったので、とりあえず返事をする。 すると、パジャマの胸の辺りにあった膨らみが右袖に向かってガサゴソと動いて・・・。 何かが袖口からひょこっと顔を出した。 その顔は・・・。 「お姉ちゃん・・・?」 お姉ちゃんだった。私は袖から出てきたお姉ちゃんを黙ったままじっと見つめる。 お姉ちゃんもじっとこっちを見てる。 えっと、黙りこんじゃったのは、何が起きているのか分からなくて、頭が混乱しちゃったからで・・・。 で・・・。 状況把握。 ・・・!! ・・・!!!! 「お姉ちゃんが、ちっちゃくなってる!!??」 また声を上げちゃった。 「やっぱり無理だったか・・・」 お姉ちゃんがボソッと呟く。 驚くな、なんて言われても無理に決まってるよ・・・。 「お、お姉ちゃん。どうしちゃったの!?」 「どうしちゃったの?って訊かれても・・・。目が覚めたらなんか、こうなってて・・・」 「ほ、ほんとうにお姉ちゃん?」 「ほ、本当よ。間違いなく本当の私よ。・・・たぶん」 「そっか」 お姉ちゃんは少し混乱しているみたい。 私もまだ混乱しているけど。 「ど、どうしよう・・・」 「うーん・・・。と、とりあえず、何か着る物が欲しいわね」 よく見るとお姉ちゃんは裸で、ちょっと寒そうにしている。 どうやら、着ていたパジャマまでは一緒に小さくなってはくれなかったみたい。 「着る物って言わ・・・」 そう言いかけたとき、ピコーンと頭の中で何かが光った。 そうだ、いいこと思いついちゃった! 「何なの、これ?」 私が手渡したお洋服を着終えたお姉ちゃんが尋ねてくる。 「白のワンピースだよ」 「見れば分かるわよ。何で今の私のサイズにぴったりの服があるのかって訊いてるの」 「えっとね、昔ね、お人形さんで遊んでいた頃にね、お母さんに頼んで、着せ替え用のお洋服を作ってもらったことがあったの」 「それが、この服?」 「うん。でも良かったー。大事にとっておいて」 「それにしても・・・」 「ん?なあに?」 「・・・下着まで作ってあるとは・・・凝ってるわね」 「履き心地、悪くない?」 「こんな状況で、贅沢も言ってられないわよ。今日はこれで我慢するわ」 「うん、ごめんね。そんなのしか見つからなくて」 小さなワンピースを身にまとったお姉ちゃんがベッドの上にちょこんと立っている。 私はその姿を見てお姉ちゃんのサイズを再確認。 お姉ちゃんは、ちょうど携帯電話を広げたとき位のサイズまで縮んでしまっていた。 でも、頭身は小さくなる前のまま。 まるで、本当のお人形さんみたい。 お姉ちゃんは落ち着かないのか、時折スカート部分を掴んで左右に揺らしたり、バタバタとその場で足踏みをしたりする。 「お姉ちゃん」 「ん?何?」 「・・・かわいい」 「んなっ!?」 「その服、すごく似合ってるよ」 「まったく、からかわないでよ。人の気も知らないで!」 お姉ちゃんの顔が赤くなっちゃった。 やっぱり本物のお姉ちゃんだ。 お姉ちゃんが学校に行くと言い出した。 私は危ないからやめた方がいいって言ったんだけど、勉強で遅れをとるわけにはいかないって・・・。 こんな状況なのに、たくましすぎるよお姉ちゃん・・・。 それから、家族にはこのことは内緒にしておくことにした。 私は、お姉ちゃんの指示に従い、お姉ちゃんの靴と制服と鞄をクローゼットに隠してから、お母さんに 「お姉ちゃんは友達に電話で呼び出されて先に学校に行っちゃった」 と告げた。 嘘、うまく言えたかな・・・?怪しまれてないかな・・・?よし、大丈夫。 支度を整えてからお姉ちゃんの部屋に戻ると、お姉ちゃんがベッドの上から覗き込むように床を見ていた。 あ、そっか、降りられないのか。そうだよね、高すぎるよね。 「お姉ちゃん、危ないよ」 私は両手をそっとお姉ちゃんの前に差し出す。 するとお姉ちゃんは恐る恐る足を私の手の上に乗せる。 うぅ・・・足ちっちゃいよぅ・・・かわいいよぅ・・・。 「ありがと、つかさ」 「ふぇっ!?」 「ど、どうしたのよ?」 「あ、ううん。何でもない」 「しっかりしてよね。今はあんただけが頼りなんだから」 「う、うん、大丈夫だよ!お姉ちゃんは私が守るから!だから安心してね」 「お、頼もしいわねえ。じゃあとりあえず、私を鞄の中に入れてくれる?」 私は手に乗せたお姉ちゃんを慎重に鞄まで運ぶ。 お姉ちゃんは、バランスを崩さないように、私の両手の親指を一生懸命掴んでいる。 うぅ・・・手もちっちゃいよぅ・・・。 そしてお姉ちゃんは鞄の中へ・・・。 うわっ、本当に入っちゃった。 このままだと何だか可哀想な気がするので、私はタンスから厚手のハンカチを探してきて、それをお姉ちゃんに手渡した。 お姉ちゃんはハンカチを受け取ると、それをクルリと体に巻いて、私に向かってニコッと微笑んだ。 わーぉ。 「じゃあ、出発しますか」 「うん」 「つかさ」 「うん?」 「あまり揺らさないでね」 「うん」 「それから、くれぐれも鞄、落とさないようにね」 「うん」 「それから・・・」 「お姉ちゃん」 「なに?」 「私って、そんなに頼りないかなぁ・・・?」 「うーん・・・。まあ、何と言うか・・・そうね」 さっきは頼もしいって言ってくれたのに・・・。 「冗談よ。頼りにしてるから。さ、出発しましょ」 「・・・うん!」 お姉ちゃんは、自分で学校に行くなんて言い出したけど、心の中はきっと不安でいっぱいなんだ。 だから、私がしっかりしなくちゃ。 「じゃあ行こっ、お姉ちゃん!」 私は鞄を持って部屋を飛び出す。 「つかさストーップ!」 「な、なに!?」 「・・・世界史の教科書が入ってないわよ。今日授業あったわよね?」 「はうぅ・・・」 ・・・いきなりやっちゃった。 というか、何でお姉ちゃんが私のクラスの時間割を把握しているんだろう? 「まったく、幸先悪いわねえ・・・」 ちまこんお姉ちゃん(画像) コメントフォーム 名前 コメント 続きぷり~ず!です。 とりあえず、こなたに いじられる所まで… -- 名無しさん (2011-05-01 00 45 49) バスサミコ酢ーで、おもちうにょーんで、どんだけーで、でもそんなの関係ねぇ!だね!← -- 名無しさん (2010-08-24 22 12 36) うわー、欲しいいいいいいい!! -- 名無しさん (2010-08-15 11 35 07)
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「もういいよ」 「じゃあ勝手にしなさい!」 田井中の家リビングは、緊張感した空気に包まれていた。 「ちょっとお母さん、聡も―――…」 律は慌てて二人の間に割って入った。 だが聡は無言でリビングを出ると二階へと上がってしまった。 ※※ 律「…―――――お母さん、聡はいいの?」 弟が二階から降りてくる気配はない。 父は残業で遅くなるということで、食卓は母と律の二人きりだった。 放っておきなさいと母は不機嫌そうに言った。 (意地っ張り…) きっかけはほんの些細な事だった。 ただ、母も聡も今日は少し機嫌が悪かったのだ。 いつもなら笑って流せた事が、気がついたら口論へと発展していた。 めずらしい事だった。 (しょうがないな…) 食事が終わるとテレビを観ている母の目を盗んで 律は聡の食事を二階へ持って運んだ。 コンコン。 部屋のドアを2回ほどノックして小声で呼びかける。 律「聡、食事持ってきたぞ」 ……。 中から返事はない。 律「聡…?」 もしかして寝ているのだろうかと律はドアノブをひねった。 ひょい、と中を覗いてみる。 律「あれ……?」 部屋のどこにも、聡の姿はなかった。 ※※ …―――駄目だ、眠れない。 律は布団の中で寝返りをうった。 父も母もとうに眠りについている。 この家で、聡の不在に気付いているのは律だけだ。 (早く帰って来いって聡―――…) 廊下に耳を澄ませながら、もどかしさに苛立った。 時間が経てば経つほど、良くない想像が頭の中を支配していく。 律「―――ああもうっ」 律はガバッと身体を起こした。 ※※ 軽く着替えを済ませると、こっそりと家を抜け出した。 律「あ」 玄関前の聡の自転車が無い。 律は門を出ると、とりあえず歩き始めた。 あてなどない。 それでもじっとしているよりはマシだ。 …―――聡のバカ。 寒さに襟元の服をたぐり寄せて、律はぽつりと呟いた。 まずは近くのコンビニに行った。 店の前には何人かの若者がたむろしていたが、聡の姿はなかった。 次に向かったのは学校だ。 周りをぐるりと一周してみたが、やはり聡の姿はなかった。 律は思い付いた場所を転々としていく。 聡は見つからない。 ―――まさか、何か事件に巻き込まれたのでは? ―――どこかで死んでいるなんてこと… 思考が悪い方へ悪い方へと転んでいく。 律「聡…」 早く顔を見て安心したい。 夜の住宅街を歩きながら、律は子供の頃の事を思い出した。 夜中に目を覚ますと隣りに寝て居たはずの母の姿がどこにも見当らない。 急に不安になる。 もしかして自分は置いて行かれたのではないかと。 あの時の心細さに似ている。 (聡のバカ…) 公園前まで来た時、律の心臓は大きく跳ねた。 公園の入口にある電話ボックスの横。 見覚えのある自転車を見つけたのだ。 律は思わず駆け寄った。 律「―――聡のだ…」 消えかけているが『田井中聡』としっかり読める。 律は辺りをキョロキョロと見渡した。 律「…聡、――――聡っ」 声を殺して名前を呼ぶ。 …――返事はない。 返ってくるのは静寂のみだ。 律「聡っ」 もう一度呼んでみる。 が、やはり返事はなかった。 「どうしよう…」 不安が現実のものになっていく。 「どうしよう…」 震える唇に指を押し当てた。 律はただ呆然と立っていた。 …――――――じゃり。 「…―――姉ちゃん?」 律はハッと声のした方を見た。 公園から姿を現したのは、他でもない聡だった。 律「…―――聡…」 聡「えっと、姉ちゃんどうした、の?」 律「…お前、どこ行ってたんだよ」 聡「あっ…と、ちょっとそこのトイレ…」 聡は気まずそうに視線を泳がせながら歩いて来る。 律「……」 聡「あ、えっと」 律「……」 聡「ね、姉ちゃん…?」 はああ、と息を吐き出して律はその場に崩れ落ちた。 聡「あれ??姉ちゃん?!」 律「よ、よかったぁ~~~~……」 安度のあまり涙が出てきた。 聡が無事で本当に良かった。 ぽろぽろと涙を零す姉に聡はどうしたらいいか分からずオロオロとしている。 律はその額を軽くはたいてやった。 聡「いてっ」 律「お馬鹿!心配させんな」 ぐずっと鼻をすする。 聡「ごめん、…」 聡はしゅんと俯いた。 たくさん文句を言ってやろうとしたのに、聡の申し訳なさそうな顔を見たら思わず笑ってしまった。 「帰ろっか」 今頃気がついたが、夜空がとてもきれいだ。 空一面に星が輝いている。 ぶらぶらと歩く律の横で聡はカラカラと自転車を押していた。 聡「今日さ、学校でちょっと嫌なことがあって」 …――何かむしゃくしゃしてた。 聡はぽつりと言った。 律「…まあ、そういう時もあるよなぁ」 聡「うん…」 律「でも、本当に心配したんだかんな?携帯は部屋に置きっぱなしだしさ」 聡「ごめん。…―――――――あのさ、母さんは?」 上目遣いでおそるおそる聡は聞いてくる。 律「気付いてないよ、全然」 聡「……そっか」 律「あ。今ほっとしたなぁ?根性のないヤツめっ、うりうり」 拳を作って聡の頭を軽くぐりぐりする。 聡「や、やめろって…」 自転車で両手がふさがっている聡はうまく抵抗ができない。 律は聡から身体を放すと「ん。」と右手を差し出した。 聡「え、なに?」 律「手、つなごーぜ」 聡「え、何で?」 律「何かそんな気分だから」 聡「俺自転車おしてるんですけど…」 律「いーじゃん頑張れ!」 聡「頑張れって……、…――――やだよ、恥ずかしいし。」 聡は目を逸らして少し顔を赤くする。 律「誰も見てないって」 ほら、と右手をひらひら揺らす。 聡は少し迷ってから、おずおずと左手をハンドルから離した。 律はその手をぎゅっと掴まえた。 聡「……」 律「聡、手あったかいな」 聡「…姉ちゃんは冷たいのな」 律「んー、ちょっと冷えちゃった」 聡「…」 もしかして随分と探してくれてたのだろうかと、聡は隣りを歩く姉を見て思った。 申し訳ないのと同時に、どこか嬉しく思う自分もいた。 握った手に少し力をこめる。 少しでも姉の手が暖かくなるようにと。 律「聡、お腹空いてないか?」 聡「うん、空いてる」 律「ちゃんと聡の分のご飯もあるから、家帰ったら食べな?」 聡「うん」 律「お母さんと明日仲直りしろよーっ?」 いきなり握った手をぶんぶんと振る。 思わず自転車のバランスを崩しかけた。 聡「ちょッ…危ないって」 律は楽しそうに笑っている。 聡も自然と笑顔になった。 「姉ちゃんありがとな」 〈おしまい〉
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お姉ちゃんとこなちゃんが付き合っている、らしい それを聞いた時から、私の中に何か黒い炎みたいなものが現れ始めた そしてそれが大きく燃え上がれば燃え上がるほど、激しい怒りが湧いてくる そういうときはたいていお姉ちゃんとこなちゃんが一緒にいるときだった どうやら私はこなちゃんがお姉ちゃんと一緒にいることが許せないみたい しばらくしてわかった この黒い炎は「憎悪」だ こなちゃんとお姉ちゃんが一緒にいるだけで、憎悪がわいてくる こなちゃんがお姉ちゃんを奪っていったことに対する、憎悪が こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんと長い間一緒にいるのに こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんの事をいっぱい知ってるのに こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんの事を長く想ってるのに こなちゃんより私のほうが…………… なんでこなちゃんが?私よりお姉ちゃんのことを全然知らないこなちゃんが? なんで私より先に「私の」お姉ちゃんを横取りしてるの? こなちゃんのくせに こなちゃんのくせに!!! コナチャンノクセニ!!!!!! 許さない 絶対に許さない 「私の」お姉ちゃんを横取りしやがって 今までは友達と思ってきたけれど、もうあんな奴友達なんかじゃない あいつは敵だ 私の最大の障害 一刻でも早く、一分でも一秒でも早くこの世から排除しないと、私がおかしくなりそう 目の前からいなくなってくれないかな? 蒸発してくれないかな? 死んでくれないかな? そうだ いま思いついた なんでこんな簡単なことを思いつかなかったんだろう こなちゃんを殺せばいいんだ こんな簡単な答えを見つけ出すのに、なんでこんなに時間がかかったんだろう こなちゃんが死ねば、すべて解決する そうなればお姉ちゃんは私だけのもの お姉ちゃんはだれにも渡さない 私がこなちゃんを殺った直後の数日は悲しむかもしれないけど、私がそばにいて励ましてあげる そうして少しでも早くあんな奴のことを忘れさせてあげる お姉ちゃん、頭いいから気付くよね? こなちゃんなんかより私のほうが何倍もお姉ちゃんの事を好きだっていうこと 決まりだ すべて決まった 後は実行に移すだけだ 私はこなちゃんにメールを送る <<今からこなちゃんの家に行ってもいい?>> <<いいけど?こんな夜に何の用だい?しかもいきなり>> <<なんでもない。気にしなくていいからそこで待ってて>> これでこなちゃんの命日が今日に決まった 出かける前に台所に忍び込んで出刃包丁を手に取る これでこなちゃんを嬲り殺してやる まずは叫び声を上げられないように、気道を切り裂く そして逃げられないようにあの鬱陶しいほど長い髪で両腕を縛る そしてあとはじっくりじわじわと全身を切り刻んでいく あははは、考えるだけでも楽しくなっちゃう 待っててねこなちゃん、今すぐ行くから そして最大限の苦痛と恐怖を与えてあげる お姉ちゃんを奪われた私の憎しみ、たっぷりと教えてあげる アハハハハハハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ オネエチャンハワタシノモノ ワタシダケノモノ ワタシカラウバオウトスルヤツハ、ワタシガヒトリノコラズコロシテアゲル 続・私だけのお姉ちゃん(4-320氏) コメントフォーム 名前 コメント これはいいヤンデレつかさ -- 名無しさん (2008-09-08 19 50 29)
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おねえちゃんのうた【登録タグ VOCALOID お オレンジベリー 曲 鏡音レン】 作詞:オレンジベリー 作曲:オレンジベリー 編曲:オレンジベリー 唄:鏡音レン 曲紹介 姉に虐げられる、弟の歌。でも明るいです。 歌詞 (PIAPROより転載) お菓子片手 午後9時 PS4夢中 リビング 一人フューチャートーンで パーフェクトを狙う 指つる お風呂あがり パジャマで お姉ちゃんが隣 今夜も 僕のコントローラー 無茶苦茶して奪う ひどいの! 濡れた髪がふわふわ 香る お姉ちゃん シャンプーは専用の カレシができるやつ 全部 取り上げるの 勝手に 僕のものいつも 貸したスマホだって 全然 返してくれない 漫画 DVD 勝手にお金に換えるの それで 買いまくった コスメでキラキラしてるの だけど たまに 僕を抱きしめてくる なぜか許してしまう お姉ちゃん 夢の中で彼女と…あと5ミリでキスができそう なのに突然弾けた ヘッドホンで爆音 ひどいの! 飛び起きたら 不敵に 笑うお姉ちゃん 日曜日のお出かけ 留守番 させる気だ 全部押し付けるの 炊事に 掃除に洗濯 お風呂わかしてなきゃ ブチ切れ 首を絞められる せめて情けでいい 少しの 時給をください いっそ 逃げ出したい このまま 自由になりたい だけど たまに 僕にキスをしてくる なぜか許してしまう お姉ちゃん わがままに煌めいて 私らしく生きたいだけ 弟よ 今はただ 修行だって思うの そして終わってゆく 一日 溜息ついても 罪を償ってるようだ 神様 僕がなにしたの 生まれ変わった時 少しの 幸せください 今はあきらめます 死ぬまで我慢しますから だけど たまに 僕にご飯奢って なぜか許してしまう お姉ちゃん コメント 名前 コメント
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ある日のことだ。 SOS団の面子全員が俺の家で遊びまくっていたその一日、俺は籤引きにより長門を家に送っていくことになった。 「……わたしはあなた達が羨ましい」 歩く間中無言だった長門は、別れ際に唐突にそんなことを言い出した。 「は?」 長門に羨ましいと思われる心当たりなど一つも無いし、複数形だというのが余計に謎を深める。はて、あなた達とは俺と誰のことだ? 「あなたとあなたの妹」 「妹?」 「そう」 「何で妹、いや、俺と妹なんだ?」 「……兄弟姉妹といった人間同士の関係は、わたしには縁が無いもの」 長門は淡々と、しかしどこか寂しげな様子を纏いつつ答える。 そういや、長門は宇宙人製ヒューマノイドだからな。 「あー……」 さて、どう答えたものか。 長門が俺を羨ましがっているのは分かるんだが、俺はこういう時に有効に回答するスキルを持っていない。 俺の知り合いには天涯孤独なんて奴は居ないし、そういうことを俺に向って訴えてくるような奴も居ない。 「わたしはあなた達が羨ましい」 長門はもう一度同じ言葉を繰り返した。 「……なあ、長門。お前にもお前の同類ってのは居るんだよな?」 俺の頭の中にナイフを持った女と生徒会書記の先輩の顔が過ぎっていく。 前者は名前を出しても大丈夫だろうが現在はもう地上に存在しない上俺が積極的に名前を出すことに躊躇いが有り、後者は長門の前で名前を出して良いかどうかが分からない。 「居る」 「そういう人たちは、親戚みたいな物なんじゃないか? ええっと、同じ親……、っていうのか、同じ存在に作られた者同士なんだし」 「……」 「そりゃあ、人間の血縁関係とは違うんだろうが……」 何言っているんだろうなあ、俺。 こういう時は何でも言いくるめられる古泉や何でも勢いのまま丸め込んでいけるハルヒが羨ましいよ。 「そう、わたしたちは人間でいう血縁関係という概念を持たない」 「……」 「でも、」 「でも?」 「……あなたの考え方は気に入った。情報統合思念体に申請してみる」 ああ、そうか、気にいってもらえて良かったよ。 しかし、申請って何だ? どこかの原子力を積んだロボットよろしく他のヒューマノイドを家族として作ってみるとかか? 俺はその辺りのことを長門に訊ねたかったが、長門はあっという間にマンションに入っていってしまったので、俺は何も訊くことが出来なかった。 ふむ、一体なんだろうね。 まあ、今更いきなり長門の家族なるものが出てきた程度で、たいしたことはなさそうだが。 俺が認識の甘さを悟ったのは翌朝のことである。 通学路の坂道でハルヒと古泉に出会った俺は、くだらない話をしつつ三人で坂を登っていた。 ハルヒが比較的早足で俺と古泉も一応それに合わせているので、俺達はどんどん他の生徒たちを追い抜いていく。朝から元気な団体だとでも思われてそうだ。 「あら有希じゃない、おはよう」 先頭を行くハルヒが、長門の姿を見つける。 「あら、その人は……」 小柄なショートカット娘の隣にいる人物を見つけたハルヒの目が、大きく見開かれる。 そこに立っていたのは、喜緑江美里さんだった。 喜緑さんは長門の同類だが、事情を知らないハルヒから見れば憎き生徒会の手先その1くらいの存在だろう。 何故喜緑さんが長門と一緒に登校してるんだ? という俺の些細な疑問は、次の長門の爆弾発言によって解決……、したかどうかは分からないが、一応答えには近づいたらしい。 「あ、おはようございます皆さん」 「何であなたが有希と一緒なのよ」 「ああ、それは、」 喜緑さんが言う前に、遮るように長門が言った。 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 ……。 ……。 ……Why? いや、この場合の疑問符はWhyではなく……、という問題じゃなくてだな。 長門、お前今何を言った。 喜緑さんが……、長門の、姉? 面食らう俺、ハルヒ、古泉。おお、さすがに古泉でもびっくりか! そりゃあそうだよな、いきなりお姉ちゃんだもんな、俺もびっくりだよ。 何となく事情のからくりが理解できないことも無さそうな俺や古泉がこうなんだ、ハルヒなんてもう言うまでも無いだろう。 「どどどどどど……、どういうことーっ?」 ハルヒ、動揺しすぎだ。 いや、俺だってお前の気持ちは分からなくも無いが……。 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 長門、それじゃ何の回答にもなってないぞ。 「お、お姉ちゃんって、お姉ちゃんって……、ちょ、ちょっと待ってよ。だって今まで、そんな素振りを一切見せなかったじゃない!!」 そりゃそうだ。多分昨日までは姉妹じゃなかっただろうからな。 俺は昨日の長門との会話を思い出す。きっかけは絶対あれだろう……。 しかし長門よ、だからっていきなり翌日から喜緑さんと姉妹になること無いじゃないか。 おかげでハルヒが大混乱状態だぞ。 「昨日までは言えない事情が有った。でも、事情が変わって今日からは言っても大丈夫になった」 「そ、そう……」 まてハルヒ、お前それで納得するのか! 苗字だって違うのに……、いや、それが『事情』って風に解釈したのか? 「そう」 「そう……、そういうことなのね。良かったわね、有希、お姉ちゃんと仲良くするのよ!」 「……」 長門が無言で首肯し、喜緑さんが笑う。 うーん、外見も雰囲気もちっとも似て無い気がするんだが、悪い組み合わせでは無さそうな気はするな。 しかし長門が喜緑さんの妹か……、良いのか、これで? 「良いんじゃないですか、別に」 放課後、まだ俺と古泉しか居ない部室で古泉にこの話題を振ってみたら、やたらあっさりと切り替えされた。 「お前なあ……」 「今のところ何の問題も起きていませんし、これからも特に困ることは無いでしょうからね。別に世界が改変されたわけでも無いようですし」 「記憶操作とかも無しってことか?」 「ええ、その必要は無かったでしょうからね」 「どういうことだ?」 「こんなのは、長門さんと喜緑さんの戸籍をちょっと書き換えればすむことなんですよ。それが学校に提出する必要が無い範囲の部分であれば、学校にある記録に手をつける必要すらありません」 「ふむ……」 古泉は多分、その長門や喜緑さんの戸籍上の情報とやらをある程度把握しているんだろう。 俺にはそういうことはさっぱりだし別に取り立てて知りたいとも思わないが、古泉の言っている理屈は分からないことも無い。 「ここからは仮定の話になりますが、正直な所、こういうことは非合法な手段や超常的な手段を全く使わなくても出来ないことはないですからね」 「……結婚とか離婚とか、養子縁組とかか?」 「そういうことです」 なるほどな。 結局の所俺は長門がどんな手段を取ったか全く持って知りようが無かったわけだが、古泉の解説を聞いて何となく納得できたような気はした。 古泉が楽観的なのは、この辺りのカラクリが分かっているから何だろう。 「しかしだな、喜緑さんは生徒会の書記だぞ? そんな立場の人が長門の姉で良いのか?」 「特に問題は無いでしょう」 「生徒会は敵キャラ設定じゃなかったのか?」 「敵味方に分かれた姉妹だなんて、話を盛り上げるのに良いじゃないですか」 「あのなあ……」 「多分、涼宮さんもそう思ってくれると思いますよ」 ……まあ、俺もそんな気がするけどさ。 しかしこれで良いのか? いきなり姉だ妹だって……。別に何も悪いことはおきてないけどさ。 「やっほー、おまたせえ」 そのとき、扉がでかい音を立てて開いた。 立っているのは声の主のハルヒ、それに長門、そして何故か喜緑さん……、いや、長門のお姉さんか。 「二年の教室まで行っていたら手間取っちゃってさあ」 ハルヒは悪びれもせずそんなことを言う。 喜緑さんは相変わらずの穏やかな笑顔のまま空いている席につき、長門がお茶を淹れに行く。 うーん、不思議な光景だ……。 「はい、お姉ちゃん」 「ありがとう、有希ちゃん」 うお、有希ちゃんと来たか! 長門は俺達にもお茶を配ると、喜緑さんの隣の席に腰を下ろした。 そんな長門の頭を、喜緑さんがなでなでしている。 ううう、なんとも言えない光景だ……。微笑ましいんだか微笑ましくないんだか。 「お姉ちゃん」 「何、有希ちゃん?」 「本、読んで」 そう言って長門が差し出したのは、分厚い洋書だった。 長門……、本の選択が間違っている気がするぞ。 いや、それ以前に年齢とか場所とか、もっとツッコミたい部分が有るわけだが……。 「ここで?」 「そう」 「でも、今は学校だし……」 「……駄目?」 うおお、長門が上目遣いだ!! 困惑する喜緑さん、思わず注目する俺、ハルヒ、古泉。 「しょうがないですね、有希ちゃんは甘えん坊なんですから」 喜緑さんは俺達に向って微笑むと、長門に渡された洋書を読み始めた。 さすがインターフェース。洋書の発音も完璧だ。俺には何を言っているかさっぱりだけどな。 「すみませーん、遅れまし……、ほえ?」 遅れて部室にやって来た朝比奈さんが、入り口の所で呆然と突っ立っている。 そりゃあそうだろう、俺が逆の立場でもきっとこうなるさ。 「ああ、こんにちは朝比奈さん」 「こ、こんにちは。え、えっと……、どうして喜緑さんがここに?」 「ああ、わたしは、」 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 どうやら長門は自分で主張したいらしいな。 「どえええええええ? お、おね、おね……、お姉ちゃん!?」 「そう、喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 「そういうことなんです」 いやいや喜緑さん、そういうことって言われても、多分朝比奈さんにはさっぱり通じないと思いますよ。 「でででででも、今までそんな素振りなんて、それに、苗字だって……」 こういう時の朝比奈さんを見ると、やや不安を感じる。 いや、長門の、まあ長門だけじゃなくハルヒや古泉も含めてなんだが、そういう特殊な背景もちの個人のプロフィールを忘れているんじゃないかと……、そんな風に思うのは、俺の気のせいだよな? 「事情がある。だから苗字は違う」 「そ、そうなんですが……」 「でも、彼女は私のお姉ちゃん」 「……う、うん、分かりました。お姉ちゃんなんですね。それなら納得です」 納得したんですか……、いや、まあ、ここで深く追求とかになられても困る……、いや、誰も困らないか? 多分喜緑さんが適当に交わすだろうし。 「あのう」 「何、お姉ちゃん?」 「朝比奈さんも来ましたし、私はそろそろお暇しようかと、」 「駄目」 「でも……」 「駄目、ここに居て」 長門は強い意思を篭めた口調でそう言って、喜緑さんを引き止めた。 喜緑さんがいる状況でSOS団でどうのというわけにもいかず、その日は喜緑さんの洋書朗読を聴く『だけ』という何時にも増して何の生産性も無い部活動の時間が終わり、俺達は帰宅することになった。 平穏だが疲れる一日だったな……。 「なあ、長門」 俺は帰り道でちょっと合図をして、別れ道から戻ってきた長門に話し掛けた。 「何?」 「お前、楽しいのか?」 「……分からない」 「分からないって……」 「喜緑江美里は、わたしのお姉ちゃん。……でも、妹として振舞っても、何かが満たされない。あなた達には届かない」 「そりゃあ、昨日の今日だからな」 「わたしと喜緑江美里では、姉妹にはなれない?」 「そう言う意味じゃない。……一朝一夕にでは無理でも、仲良くしていれば、何時か人間の姉妹みたいになれるさ」 「そう……」 「明日からもこのままなんだろう?」 「そのつもり」 「じゃあ、このまま姉妹として過ごせば良いさ。ああでも、SOS団のことも忘れないで居てやってくれよ。部活の時間に何時までも今日みたいだと、この先支障がありそうだからな」 「……分かった」 「けど、家では存分に甘えておけ」 「分かった、そうする」 「じゃあ、またな」 「また、明日」 それから数日後、喜緑さんと話をした。 「……有希ちゃんみたいな妹が出来て、わたしも嬉しいんですよ。有希ちゃんが最初申請をしたときには驚きましたけど」 「そりゃまあ、普通は驚くでしょうね」 「ええ。でも、わたしにも彼女にもいい経験になるだろうということで、情報統合思念体は許可したんです。……結果として、いい方向へ向っているようですしね」 「それなら何よりです」 原因は俺だからな……、これで妙なことになって迷惑をかけていたりしたら、喜緑さんに一生頭が上がらなくなる所だったのだろう。 「これからも、妹のことをよろしくお願いしますね」 外見も雰囲気もちっとも似ていないが、俺に向って頭を下げた喜緑さんは、すっかり長門の姉だった。 「分かっていますよ」 お願いされなくても分かっていることだが、姉に言われたのであれば尚更だ。 瓢箪からコマとでも言うのか……、いや、まあ、これ以上何か言う必要は無いか。 長門は幸せそうだし、喜緑さんも幸せそうなんだ。 だったら、これで良いんだろう。 fin
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sideA 自分ちだ、なんて思うな。 普段優しい父親から、初めて聞いた厳しい言葉。 そんなのわかってる。当然だ。 甘えるつもりなんて、毛頭ない。 そもそも命を扱う仕事だ。 甘えなんて危険すぎる。許されることじゃない。 「お!あ〜ちゃん、おはよー」 入院しているおじちゃんたちと挨拶を交わす。 小さいけれど、うちは病院だ。パパは医者だし医院長。 だからもちろん自分も医者を目指すのに、なんの疑問も抱かなかった。 いつからか“あ〜ちゃん”と呼ばれるようになった。 「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と呼ばれることに慣れていた小さな世界から、 他人とかかわる大きな世界へと変わった時、綾香だからと誰かがつけた。 この時、不真面目で小さな小さな世界に閉じこもっていた妹から“あ〜ちゃん”の呼び名を奪った。 妹は何も言わなかった。泣きもしなかった。 逆に、嬉しそうに私を呼んだ。 「あ〜ちゃん」と、何度も、何度も。 病室にむかう。 一通りの仕事を済まして、私はきまってこの時間に同じ病室にむかう。 ガラガラと音をたてた扉の奥から、今日も可愛い声が聞こえた。 「あ、お姉ちゃん!おはよー」 それだけで私は泣きそうになる。 毎日毎日、第一声のそれを聞くだけで。 必死で泣きそうになるのを堪えてる。 「おはよ、ゆかちゃん」 目が合って、ニカッと笑う妹の姿。 ベッドの上で退屈そうに、私が来るのを待っている。 「カーテン開けたん?」 「うん、晴れてたから」 「眩しくない?大丈夫?」 「ちょっとまぶしいけど、でも、きれい」 「そっか」 冬の日差しが部屋の中を明るくする。 この子のいいところは、濁りがないくらいに鮮明で明るいところだ。 冬の日差しに負けないくらい、十分光を放っている。ように見える。 「今日のっちはー?」 「ん、学校終わったら来るって」 「ヤッタ!じゃアイスたのもーw」 ゆかは、呼び名をとられた妹に新しく“のっち”と呼び名をつけた。 “お姉ちゃん”と呼ばれることは、激しく嫌がっていたんだ。 まだ準備ができてない。そうゆうことだったのかな。 4年くらい前、 道を踏み外してる妹に、怖がりもせずゆかは言ったんだ。 「のっち、お姉ちゃんじゃん!ゆかを助けてよ!」 怖がりもせず。 でも、泣きながら、そう言ったんだ。
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スキスキお姉ちゃん 33 :名無したちの午後 :05/02/23 00 55 42 ID XRwvnyNQ 若干既出ではあるがスキ姉で今のところ お風呂場でおっぱい押し付け手コキ×2 ブルマで足コキ 4人に押さえつけられて観察されながら手コキ×3 他にも覗き見&対面相互オナニ―等確認。 全体的に出来が言いと思う。 問題点はシステムやや糞、共通ルートいがいのボリューム少ない、ドム…くらい? 個人的には久々のヒット 関連レス 239 :名無したちの午後 :2005/06/11(土) 03 00 56 ID D1xQ/TAf 238 乙~ ところで後ろから手コキしてくれる母性あふれる作品はないかのう・・・ 240 :名無したちの午後 :2005/06/11(土) 04 06 32 ID 4QANHxJE スキスキお姉ちゃん
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268 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 21 53 58 ID 2IEigUIvO こんばんは、平沢憂です!今日は久しぶりにお姉ちゃんとお風呂です! …ですが恥ずかしくて、お姉ちゃんの体を直視できません…み、見たくないわけでは決してないんですが! 「憂、髪洗ってあげるね♪」 「う…うん」 「…やっぱり一緒に入るの嫌だった?さっきからあんまりしゃべんないねぇ」 「そ、そうじゃないの!ただ、その…恥ずかしくて。裸見たり、見られたりするの…」 「あはは、そっかー…私もちょっぴり恥ずかしいけど、憂と一緒に入れるのが嬉しいから気にならないよ?」 「お姉ちゃん…」 「ほれ、パパイヤ憂!」 シャンプーの泡でアフロみたいになった私の頭。それを見て、思わず吹き出してしまいます。 「ぷっ…もうお姉ちゃん、シャンプー付けすぎだよ?」 「えへへー、ついー♪そだ、じゃあ憂に分けてもらおーっと♪」 「ちゃんと新しいの使って平気だよ?今度は私が洗ってあげるから♪」 「わーい♪あ、そういえば憂、普通に私の体見てるね」 「えっ………///」 「ありゃ、また下向いちゃった…そんな恥ずかしがらなくていいのにー。私、おっぱいちっちゃいし……」 …ごめんお姉ちゃん、やっぱり私には、お姉ちゃんの裸は刺激が強すぎます…… 269 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 21 54 45 ID 2IEigUIvO 「うーい♪今度は背中流してあげるっ」 「あ、ありがと…」 「ありゃ?スポンジ新しいの買ってあったの忘れちゃった…」 「あ、じゃあ取って…」 「いいよいいよ、風邪ひいちゃう!待ってて、いい方法があるから…」 「え…?」 お姉ちゃんは何を思ったのか、体を泡だらけにし始めました。そして… 「えいっ」 「ひゃぁっ…!?」 私の背中に抱きつきました。すべすべむにゅむにゅな柔らかい感触に、私の頭は沸騰寸前になります… 「な、ななななななにをすっ、すすすす…」 「背中流してあげるって言ったでしょ?スポンジないからこうして洗ってあげるよ♪」 「てて、手で洗えばいいんじゃないのかなぁっ!?」 「この方が早く洗えるんだよ!しかも私の体も洗えて一石二鳥!じゃあ洗うね?」 「そ、それはさすがに…ちょっ…」 お姉ちゃんは私の背中に体を擦り合わせました。 密着した二つの柔らかい膨らみがその形を歪ませるたび、私の心拍数は増していきます。 「えへへ、すべすべで気持ちいいー♪憂はどう?気持ちいい?」 「う…うぅ……うん……」 「あ、こっちも洗ってあげる!」 「え…」 お姉ちゃんは私の胸を手のひらで包みました。次の瞬間、私は―― 270 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 22 00 20 ID 2IEigUIvO 2分後、私はお姉ちゃんの背中を洗っていました。…もちろん手で。 「ごめんね憂、さすがにいきなり掴んだらびっくりするよね…あんな悲鳴上げるとは思わなかったよ」 「う、ううん!いいの気にしてないから…」 「そう?ならいいけど…そういえば憂、さっき寒かったの?」 「え?な、なんで?」 「だってさっき憂の胸触った時、なんか硬くなっ…」 「なってないよお姉ちゃん!」 「え、ホント?」 「ほ、ホン…きゃっ?」 必死になっていた私は手が滑り体勢を崩して…お姉ちゃんの背中に覆い被さってしまいました。 「ご、ごごごめんねお姉ちゃん、私…」 「大丈夫だよー♪すべすべで気持ちいいしー♪」 「お、お姉…ちゃん…」 ぴったり密着した背中から伝わってくるお姉ちゃんの熱が、私の心臓の鼓動を再び速めていきます。 あ、なんか…お姉ちゃんの背中、気持ちいい… 「ん…?ほらぁ、やっぱり硬いのが当たって…」 「な…なってないよぉ!!」 終わり 俺は悪くないんです 皆の妄想をまとめたらこうなっただけなんです 280 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/10(水) 00 00 00 ID 2IEigUIvO 後日談… 律「…でさー、弟からかって一緒に風呂入るかって言ったら照れてんだぜ?面白いってなんの!」 澪「あんまりからかっちゃかわいそうだぞ?なぁ唯」 唯「そうだよりっちゃん、かわいそうだよ!」 律「唯は憂ちゃんと仲良しだからなぁ…最後に一緒に風呂入ったのいつだ?」 唯「え?昨日だよ?」 律澪梓「え……」 紬「唯ちゃん、今の話詳しく聞かせて!い、一体何があったの!?」 唯「髪洗ってあげたり背中流しっこしたり…別に変わったことなかったけど」 紬「で、でも体に何かしらの変化はあったんじゃないかしら!?例えば、ぬ…」 律「お、落ち着けムギ!何もないよな唯?ただ仲良く風呂入っただけだよな!」 唯「あ、そういえば…憂の胸を触ったり、背中に押し付けられたりしたんだけどね?」 律澪梓「なっ…」 紬「はぁはぁ……」 唯「その時にね、なんか硬い感触がしたんだ。変だよねー」 紬「ゆ、唯ちゃん、一体何が硬くなってたのかしら?」 唯「ち…」 梓「あー!あー!早く練習始めましょう!」 澪「そ、そうだな!」 律「今日は頑張るぞ!」 唯「うん…なんで皆顔真っ赤なの?」 紬「うふふ、憂ちゃんったら…今度ゆっくりお話聞かなくっちゃ♪」
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